貿易実務検定 英語の勉強方法(A級/B級/C級)

今回は私が運営/管理をしているLINEオープンチャットでリクエストを頂きました。「試験に合格するための貿易英語の勉強方法」について、級別に解説したいと思います。

※各級の合格目安として、英検の級を記載しておりますが、個人差があります。
※試験の中身については、著作権の点から公開はできませんのでご了承下さい。

中身を見たい人は、C級・B級についてはこちらの市販書籍に掲載されています↓
(出題数や配点が最新の試験とは異なる場合があります)

A級については、公式HPから問題集もしくは1回分の過去問をお求め頂くことになります。

<C級>

まず初めに取り組むべきことは、当然ですが実務の内容の理解です。
この級は英語に重点を置くよりも、実務が鍵を握りますので、実務の内容を理解しつつ、登場する単語を覚えるように意識して下さい。

文法力は、英検準2級程度があると良いでしょう。
問題3では売買契約書、信用状、為替手形などの貿易書類の読み取りや作成が出題され、配点(5点✕2問)が高いので、絶対に落とさないようにしましょう。

最優先事項は、モノ・カミ・カネの流れをマスターすることです。
なるべく読むだけでなく、流れを自分で書くことを意識してみて下さい。

時には自分が輸出者、信用状発行銀行や買取銀行の役になったつもりでシミュレーションしてみると、どのタイミングで書類を引渡すのか、代金決済がされるのかをイメージしやすくなるでしょう。

英語が苦手、あまり得意でない方でもC級合格は難しいものではありません。
この級ではいかに貿易英単語を理解しているかで合否が分かれます。
定着させるためには単語の内容を確認しながら「書いて」下さい。
学習の際には単語を5回書けばよい、10回書けば覚えられるという無意識の作業にならないように気を付けましょう。一時は記憶に残っても、長期的には残りません。

公式テキストの後ろに索引がありますので、辞書の様に使って確認すると良いでしょう。
また、関根幸雄先生の「貿易実務英語の基礎知識」にはチャレンジ問題も掲載されています。

↑こちらと公式問題集を併せて学習すれば、学習は十分でしょう。 
そしてなるべく早めに過去問に着手して下さい。
今日、いや、受験を決意されているなら、この記事を見た後です。つまりです。
3回解いたあたりで、出題ポイントが見えてくるでしょう。
それでも「やっぱり英語は苦手。でも合格したい!」という方は、実務科目で高得点をとることで補えます。

通関士試験と違う点は、各科目の合計点数が基準に満たしているかどうかです。
独学でも合格は可能ですが、先にも書きました通り、「誤った理解」や、「言葉だけを暗記しただけで内容が頭に入っていない」という点には十分気を付けて下さい。


<B級>

C級を受験された方なら、英文のボリューム感が一気に増すことに驚くかもしれませんね。
まだ問題を見たことがない方は、敵を知るという意味でも早めに過去問を用意して下さい。

一文の長さがC級の2倍以上であることはもちろん、長文読解も含まれるのでスピードも必要です。
この級では英検2級程度の読解力が必要となります。
念押しになりますが、学習する上では実務の内容理解ができていることが合格の前提条件です。

単にTOEICや英検でハイスコアを取得していても、実務の知識がなければ太刀打ちできません
例えば、「白地裏書」を英単語で覚えていたとしても、何のために裏書するのですか?説明できなければ、改めてテキストと並行して学習・復習するようにしましょう。「調べ癖」をつけることが非常に大事です。

テキスト、過去問と併せてもう少し英語の学習をしたいという方にはこちらをお勧めします↓
(※こちらは表現を学ぶ公式テキストで、問題集ではありません。)

正しく理解・選択できているかに重点を置き、スピードは慣れで備わってくるものですので、慌てずに学習を進めましょう
過去問を繰り返していると、定型文が身に着きます。そこに積み重ねた単語力を当てはめると読解ができるようになります。
見たことがない表現がたくさんあるよ」という方は、C級と同様に、過去問を3回分解いて下さい。
手元にある場合には、C級の問題を復習として解き直してみて下さい。
自己採点で、ギリギリC級に合格したと感じる方は基本を見直してから取り組みましょう。
加えて、本試験はオンラインですので制限時間の90%程度の時間で解く心づもりがあるとさらに良いですね。

そして、質問がいくつか寄せられていたのでこちらにも回答します。

オンライン受験なら、調べながら受験できますか?

厳しい回答になりますが、余程器用でもない限りは、問題を解くだけで精一杯になります。
カンニング行為に該当しますので、甘い考えは捨ててください。地道な努力が自分を報いてくれます。
独学での合格も可能ですが、公式テキストではB級とA級は1冊にまとまっています。
学習の範囲には気を付ける必要があります。


<A級>

最高峰のA級試験における英語には、英検2級~準1級程度が必要です。
こちらも過去問をまだ見たことがない方は早めに用意するようにして下さい。

超重要

A級は以前はA級と準A級に分かれていましたが、現在は1つになっています。
よって、A級の過去問は第2版(2022年11月時点)を用意して下さい。

この級の大きな特徴としては「英文レター作成」があります。
その他の問題の一文の長さはB級の約1.2~1.3倍といったところでしょうか。
(※あくまで個人の感覚です)
A級の実務はB級のそれとはまた異なった内容を深く学習することになります。
この級でもやはり実務の知識をベースに英語力をアップさせるという意識で学習を進めることをおすすめします。
実務では書類作成の配点率が高いので、こちらの演習テキストで学習を進めて下さい。↓

ビジネスレターの表現をじっくり学びたいという方は、過去問を終えた後に他の書籍の購入を検討されると良いでしょう。

どの級、どの試験にも言えることですが、複数の教材の同時使用はあまりお勧めしません
「これ」と決めてしっかりと向き合うことが良いでしょう。

以上、少し長くなってしまいましたが、最後までご覧いただきありがとうございました。
皆さんがそれぞれの目標に到達できることを心から応援しています(^^)

加藤 佑喜